CGで建築を表現してみたい!という方へ
オープンデスクに来てくれる学生さん達とお喋りをしていると、
ほとんどの大学や専門学校では、
2年生ぐらいの頃から設計課題がはじまり、
自分の提案したい設計を、図面や、手書きスケッチ、模型、CGで表現することが求められている、ということが分かります。
ただ、その求められ方も、
あなたのやりたい建築を考えてください!
そして、
あなたのやりたい表現でA2の紙にまとめてください!
とかなりアバウトなんだな、と感じます。
アバウトな求められ方にも利点はあって、
制約がないからこそ自由に考え試行錯誤する余地が生まれるので、
大学という研究機関においては相応しい課題の出し方とも言えるかもしれません。
ただし、誰もがはじめる時には初心者で、
基本的なやり方が分からなければ試行錯誤するスタートも切れない、
これが実際なのだと思います。
僕は母校の卒業生を対象に、
CGの作り方や模型の作り方、建築法規の整理の仕方を伝える勉強会をたまに開きますが、
皆さんとても貪欲に聞いてくださります。
無駄なく合理的で、
実務に即した実践的な方法を学びたい、
というつよい熱意を感じます。
ただしそんな方たちも、
自由にやっていいよ、の一言だけしかもらえなければ、
どうはじめたらいいか分からない、
とりあえずはじめてみたけど、細かいところでつまづいてしまい進まない。
そういう話をよく聞きます。
貪欲に学ぶ姿勢があって、
学ぶための方法に飢えている方達が、
方法を知らないだけで、
自分は向いてないと思いこみ、
思い詰めてしまうのは、
本当にもったいのないことだと思います。
僕自身も建築事務所で働きはじめてから、
同じような無力感を数年間も抱き続けていたのでとても気持ちが分かります。
だからこそ、微力ながら助けになれたら、という気持ちになります。
一方で、建築家の方達に話を聞くと
アトリエ事務所で働こうとする学生が年々減っている。
そんな悲観的な話をよく聞きます。
僕は現役の学生や卒業生とよく会い話をするので、
学生達の現状と、建築家の考える今の学生の像に、
大きな乖離があることを、ここにつよく感じます。
現状は、
建築アトリエ事務所に行きたい学生が「いない」のではくて、
建築アトリエ事務所に行きたいけれど「学び方と就職の仕方」が分からない学生が多くなってる、
というのが正しい理解なのではないでしょうか。
確かに一世代二世代前に比べれば、
アトリエ志望の学生は格段に減り、
経験よりも安定を求める学生が増えてるのは事実だと思います。
物価は上昇しつつも給料は上がらない日本で暮らしていれば。
将来に対して悲観的になり安定を求めるのは自然なことです。
ただ、アトリエ事務所で働きたい学生は依然十分にいるように感じます。
アトリエ事務所で求められる人員は、他の企業比べたら圧倒的に少ないからです。
であるならば、
足りていないのはアトリエ志望の建築学生の「数」ではなくて、
アトリエ志望の建築学生の学びや経験を積む「機会」なのではないでしょうか。
僕自身もアトリエ建築事務所スタッフとして働きながらなので大して時間は取れませんが、
ちょっとでもアトリエ志望の学生が学ぶ「機会」となるような頁をつくれたらと考えています。
アトリエ建築事務所を辞めても、
再度アトリエ事務所に挑戦しなよ、と僕を後押ししてくれた、
尊敬する建築家や友人達への恩返しにも繋がればいいな、と思います。
次の頁から、
まずはCGの話からしていこうと思います。
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「CGで自分の設計案を表現したい!けれどどんなソフトを揃えればいいか分からない、という方へ。」
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