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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_②SketchUpに取り込んだ図面データの調整とレイヤーについての説明-2

前頁の操作で、 SketchUpに取り込んだ図面データの ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている の2つの修正を行いました。 この頁で、 ③図面ごとにレイヤーを整理する の修正を行い、図面データの調整は終了です。 慣れると①〜③の動作も10分とかからず行えるようになっていきます。 では、③図面ごとにレイヤーを整理する を行っていきます。 後ほど改めて丁寧に説明いたしますが、 なぜレイヤー分けをする必要があるのかを簡単に説明します。 シンプルに説明すると、 レイヤーは、一部分を表示したり非表示にしたりするために用います。 そのため今回は、 1階平面図には「00_1階平面図」 2階平面図には「00_2階平面図」 立面図には、、、 のように、各図面ごとにレイヤーを与えていきます。 ・まずはグループを解除します。 こちらの理由も後ほど詳細を説明しますが、 シンプルにして強力なルールとして、 「オブジェクトにはレイヤーを与えない」 「グループには必ずレイヤーを与える」 という2つを僕は掲げております。 ※オブジェクトとはsketch up上の線や面のこと ※グループとはその線や面の集合を1つにまとめたもののこと そのためまずは平面図や立面図などがまとまってグループ化されているものを一度解除します。 ・図面がまとまっているグループを「選択ツール」で選択 ↓ ・選択状態(図面が青い状態)のまま「右クリック」→「分解」 以上でまずは各図面をまとめていたグループが分解されます。 ・次に、各図面ごとにグループ化をしていきます。 「選択ツール」をつかって、左下から右上(もしくは右下から左上)にドラッグして1階平面図だけを選択します。 ↓ ・1階平面図だけが選択されている状態で、「右クリック」→「グループ化」で1階平面図をグループ化します。 ・次に、グループ化した1階平面図に(1階平面図)という名前のレイヤーを与えます。 ↓ ・「ウィンドウ」→「レイヤー」をおし、レイヤーのウィンドウを画面上に表示させます。 ↓ ・レイヤーのウィンドウの「十字の絵をした部分」を押すとレイヤーが追加されます。 ↓ ・追加したレイヤーをダブルクリックすると名前が編集できる状態になるので、「1階平面図」と名付けます。 ↓ ・先程グループ化した1階平面図を選択します。 ↓ ・ウィンドウにある「プロパティ」のレイヤーの矢印を押して先程作成したレイヤーである「1階平面図」を選択します。 以上の操作で、1階平面図に「1階平面図」という名前のレイヤーを与えたことになります。 これを 1階平面図、2階平面図、3階平面図、、、 立面図_北、立面図_東、立面図_南、、、 など各図面に対して行い、それぞれの図面にそれぞれのレイヤーを割り当てます。 つまり流れとして、 ・レイヤーを追加して名前をつける ↓ ・グループを選択してレイヤー名をつける を各図面に対して行います。 すると、 各図面がそれぞれグループ化されていて、 かつ 各図面にそれぞれにあったレイヤー名が割り当てられている状態になります。 以上で、 SketchUpに取り込んだ図面データの調整の操作は終わりです。 おつかれさまでした。 調整だけでとても細かく長く感じたかもしれませんが、 慣れてくると図面を取り込んでから10分もかからず終えられるようになります。 初めにどれだけ丁寧に整理したかでこの後の作業の効率が大きく変わりますので、 まずは丁寧な下準備をする習慣をつけておくのがよいと思います。 次の頁から、いよいよ床や壁を立てていきます。 レイヤーを整理しつつ壁などをつくる、 シンプルにして強力なルールもしていきますので、 是非次の頁も見ていってください。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_②SketchUpに取り込んだ図面データの調整とレイヤーについての説明-1

以前に、SketchUpに図面の取り込み方について説明いたしましたので、 その続きのやり方からお伝えしていきます。 現在取り込まれた図面は、 ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている ため、この2つをまずは調整していきます。 操作数が少なく、極力シンプルで実務で使う際にも有用な技術が得られるよう伝えていきますので、 よろしくお願いいたします。 いろんな種類の操作方法がありますが、 出来るだけ少ない操作で汎用性のある方法で行っていきます。 ①縮尺の調整 まずは取り込んだ図面全体をグループ化します。 グループ化の意味については今後説明していきますので、 まず初めは、操作を覚えていくのがよいと思います。 ・「選択ツール」をクリック ↓ ・取り込んだ図面の右下を左クリックしてドラッグ&ドロップの要領で図形を囲む ※選択された部分は青くなります。 ↓ ・選択された青くなった取り込んだ図面を右クリックを押し→「グループ化」を選択 ※右クリックを押したメニューに「グループ化」がない場合、図面がすでにグループ分けされている場合があります。 次に、スケッチアップに取り込んだ図面を何倍にしたら適正な大きさになるかを調べていきます。 電卓を用いるアナログな方法ですが笑、 シンプルで覚えやすいためかなり有用かと思います。  ・どこでも構いませんので取り込んだ図面のどこかの寸法をまずは測ります。 ※ この時点で、念のため単位がmmとなっていることを確認してください。 単位がfeetなどになってしまっている場合があります。 確認方法は、ウィンドウ→モデル情報→単位、を押して、 十進法のmmになっているかどうかを確認する ↓ ・「メジャーツール」をクリック ↓ ・測りたい部分の片方の上にカーソルを合わせクリック、次の点をクリック すると、選択した2点の長さが右下の四角い部分に表示されます。 ↓ ・今回は壁の厚みを測ってみると〜mmと出ました。実際の壁の厚みはCADソフトで調べてみると〜mmなので、実際よりもsketch upに取り込んだ図面は大きくなってしまってることが分かります。 ↓ ・sketch upに取り込んだ図面を何倍したら、正しい大きさになるかを調べます。 やり方はとてもアナログでシンプル。スマホなどの電卓機能を使います。笑 (CADソフトで計測した寸法)÷(sketch upで計測した寸法)=(何倍したら正しい大きさになるか)を行います。 今回の場合は、 〜mm ÷ 〜mm =〜となります。 ・グループ化した図面を選択ツールで選択 ↓ ・sketch upの「尺度ツール」をクリック ↓ グループ化した図面の周囲に緑の点が現れるので、緑の点をクリックします。 ↓ 右上の緑の点を1クリックします。 ↓ 数値入力で、先ほど電卓で計算した値を入力します。 ※入力した値に応じて図面が小さくなります。 例えば、 0.5を入力すると1/2倍の大きさに、 2を入力すると2倍の大きさになります。 ↓ この時点で、図形全体が適正な大きさになっているはずです。 念のため、先ほどと同じ位置の長さを「メジャーツール」で測ります。 ※今回は壁厚が〜mmで、SketchUpに取り込んだ図面データも〜mmであることから、適正な大きさになったことが確認できます。 以上の操作で、 ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている の2つの修正が完了しました。 次の頁で、 ③図面ごとにレイヤーを整理する の修正を行います。
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レンダリングに挑戦してみたい!けれどどのレンダリングソフトがいいのか分からない、という方へ。

CGをやってみたい人の多くは、自分の設計をよりリアルなビジュアルで表現してみたい、 そう思いはじめる方が多いかと思います。 以前にご説明した通り、リアルなCGをつくるプロセスをざっくりと記すと下記のようになります。 ①モデリングをする ↓ ②モデリングしたデータをレンダリングする ↓ ③レンダリングしたデータを画像処理ソフトで加工する ↓ ④完成したCGをプレゼン用の資料にレイアウトする 今回はこの②に使用するレンダリングソフトでは何がおすすめかをお伝えしていきます。 結論としましては、 ・CG初心者で費用を抑えたい人はPodium ・CG経験者でお金に余裕ある人はV-Ray になると思います。 以下に理由を記していきます。 ●Podiumをおすすめする理由 ①操作がシンプルで習得が早い モデリングソフトとしてまずはsketch upに取り組むことをおすすめしたように、 Podiumをおすすめする最大の理由は、 かなり早くに習得ができるからです。 V-Rayは調整する項目が多く、だからこそ細かな調整が可能になるのですが、 習得に挫折する可能性は上がります。 CGを習得する上で最も大きな障壁になるのは、 細かい操作の部分でつまづいてしまい、イヤになり、挫折することです。 ですから初心者には断然、Podiumをお勧めします。 PodiumとV-Rayの仕上がりに大きな差がつくのは外観のCGを作成した時なので、 まずはPodiumでレンダリングに慣れてから、 数年して外観の仕上がりを極めたいと思った際にV-Rayを導入するのがよいと思います。 ②レンダリングソフトの中では断然安い 理由2つ目は、レンダリングソフトの中ではかなり安いことです。 カキーシャなどそもそも無料で永久に使えるレンダリングソフトも中にはありますが、 完成度があまりに低く実務の使用には耐えません。 実務のプレゼンに使用できるレベルの完成度のレンダリングが可能で、それでいて安いのがPodiumのかなりの魅力です。 V-Rayが年間に10万円ほどかかるのに対し、 Podiumは一度買えば永久に使えて4万円程です。 圧倒的な安さだと思います。 また、Twinmotionなど、商用には使用できないけれど学習用であれば無料にできてかつ完成度の高いレンダリングソフトの方がよいのでは? というお声もしばしばいただくので、 それについての見解も詳しく述べておこうと思います。 無料で高い完成度!※但し商用利用は不可 のTwinmotion!には誰もが魅力を感じるものと思います。 但しここで注意すべきなのは、 なぜ企業が無料で提供するのか、についてです。 お金を稼ぐためにレンダリングソフトを販売する会社がなぜ無料で学習用に提供するかというと、 まずは無料でマーケットを広げて多くの人に技術を身につけさせて、 広まった後に課金を開始し、徐々に値段を上げていくためです。 一度無料期間にTwinmotionの技術を身につけた人は、 課金を開始された後にもせっかく身につけた技術だからとTwinmotionを手放せず、値段を上げられても支払う以外になくなっていきます。 adobeのPhotoshopなどに無料配布の期間があったことを思い返せばご納得いただけると思います。 さらに高額な支払いに追い討ちをかけるのは、 ・サブスクの時代がやってくる ・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない仕様に今後なっていく の2つがあります。 ・サブスクの時代がやってくる いまソフト関連の会社で軒並み株価を上げているのは、ソフトを買い切り(一度買ったら永久に使用できる)で販売する会社ではなく、 サブスク(使用し続ける期間中、毎月や毎年お金がかかる)の形式でソフトを販売している会社です。 adobeなどのソフト販売会社に限らず、皆さんご存知のNetflixもAmazonも、急成長している会社はどこもサブスクの形式でサービスを提供しています。 サブスクの形式がビジネスモデルとして有用であることが証明されている現在、 これから全てのソフトが買い切りの形式ではなく、サブスクの形式でサービスが提供されるようになる日は近いと思います。 買い切りとサブスクにかかかる費用は桁が違います。 比べてみると、 1年間の間では、 V-Rayは10万円(10万円/年間 サブスク) Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り) 6万円ほどV-Rayの方が高い 10.年間の間では、 V-Rayは100万円(10万円/年間 サブスク) Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り) 96万円ほどV-Rayの方が高い 20年間の間では、、、、 値段にどんどんと差が開いてきます。 さらにサブスクの時代は加速していきますから、 今のうちに質が高く値段を抑えたレンダリングソフトを入手しておくか否かで、 10年間で100万円弱の費用の差が出ていきます。 ・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない さらに、今後は商用利用でないものを商用に利用することが不可能な時代になっていきます。 元々が、商用でないものを商用に利用するのは違法でしたが、 オフラインで使用できるソフトが多いため、非商用ソフトを商用には利用する人も多くいました。 ただし、これからはネットに繋げた状態でしかソフトを利用できない形式が増えていくため(adobeの photoshopやIllustrator等が既にその傾向にあります)非商用のものを商用に利用するとすぐに発覚するようになります。 そのため結論として、 「商用」の「買い切り」のレンダリングソフトをいかに早く買っておくか。 これで長期的にかかる費用が断然と変わってきます。 僕らは買い切りの商用ソフトが買える最後の世代になるかもしれません。 podiumが買い切りで4万円が高いと感じていた方も、 長期的な視点で考えるといかに安いソフトなのかがお分かりいただけるのではないかと思います。 以上がpodiumをおすすめする理由です。 これからCGをはじめる方や、 生涯、CGにかけるコストを削減したい方はpodiumを早めに購入することをおすすめいたします。 また、経営的に余裕のある方は、 外観のCGを極めたいためV-Rayを極めたいという方もいるかもしれません。 そんな方のために、V-Rayの利点も別の頁で説明していこうと思います。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_①図面データをSketchUpに取り込む

実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えしていきます。 まずは、 ①図面データをSketchUpに取り込む からです。 参考書で独学していくと、 SketchUpやRhinocerosなどのモデリングソフトを使用して、 モデリングソフト上で図面を書いていく手順を紹介していたりしています。 この方法で習得することは決しておすすめしていません。 ・実務ではCGをつくる段階で手元に図面データがない、状態はほぼあり得ない ・モデリングソフトは図面を書くには向いていない からです。 そのためここでは、 VectorWorksやAutoCAD、Jw_cadなどの作図ソフトで既に図面の作成は終えており、 作図ソフトで作成した図面データを用いてモデリングするやり方をお伝えしていきます。 無駄なく効率的で、 設計の変更に伴う修正に対応しやすい方法になるようまとめております。 ①-1 図面データのデータ形式をdxf化する 実務で作業をしていくと様々なソフトを使用することになります。 SketchUp 、VectorWorks 、AcrobatPDF、Photoshop、Illustratorなど。 そしてそのそれぞれのソフトのデータ形式は異なっています。 SketchUpは「.skp」 VectorWorksは「.vwx」 AcrobatPDF「.pdf」 Photoshopは「.psd」 Illustratorは「.ai」など。 それぞれのソフトを用いてデータを作成し保存した後、 そのデータの末尾についているものがデータ形式です。 〜.pdf 〜.skp 詳しく理解する必要はなく、 異なるソフトで作成した異なるデータ形式のデータを開くことは原則できない、 例えば、 SketchUpで〜.skpのデータ形式のデータは開けるけど、 SketchUpで〜.vwx のデータ形式のデータは開くことができない、 ということだけ理解すれば十分です。 また、dxf形式というのはVectorWorksでもSketchUpでも開くことのできるデータ形式であるため、 VectorWorksで作成した図面データの形式を「.vwx」から「.dxf」に変換することからはじめていきます。 方法は下記の通りです。 ・「ファイル」 →「DXF/DWG取り出し」 ・形式はDXF(テキスト形式) ・バージョンは2000 ・非表示のクラスを「取り出さない」 ・レイヤーを別々のファイルに取り出す→チェックせず ※バージョンが高すぎると、古いソフトからは開きづらくなるので、  2000くらいを推奨します。 →「OK」 →保存する場所の指定、デスクトップ上に保存でよいと思います。 以上で指定した場所にdxfデータが保存されます。 ①-2 SketchUpでdxfデータ化した図面を取込む SketchUpでdxfデータ化した図面を取込むことで、 図面を元に正確なモデリングを作成していくことが可能になります。 方法は下記の通りです。 ・「ファイル」 →「インポート」 →先ほど保存したdxfデータを選択 ※dxfデータが選択するには、  ファイル名の種類を「dxf」にする必要があります。 →「開く」 以上の①-1 、①-2のステップで、 SketchUpに図面が取り込まれた状態となります。 ただ、この段階では、 図面の大きさが誤った大きさになっていたり、 レイヤーがSketchUpに即したものにはなっておりません。 次の頁では、 SketchUpに即した図面の調整方法と、 レイヤーとはそもそも何かについてお伝えしていきます。
CGをはじめる方向けの予備知識

sketch up はオワコン?と思う方へ。CG初心者と実務に使用するCG作成におすすめのモデリングソフトを紹介します

モデリングをしてみたい! けれどどんなソフトを使用したらいいか分からない。 そんな方のために、モデリングに使用するソフトについてお話しします。 オープンデスクに来ている学生に話を聞くと、 今はrhinocerosを使用する学生が増え、sketch upを使用する学生は減ってきているように感じます。 近年では、建築の案を考える際に、 平面図を書いてから外観の形を考えて行くのではなく、 まず形を考えてCGで作成してから、平面図を作成する学生が増えてきています。 CG技術の向上と普及、ザハハディドのように平面からではなく、いきなり立体から建築をつくる建築家が台頭した影響もあるのではないかと思います。 また、rhinocerosは形をつくる自由度が高く、 Grasshopperというrhinocerosのプラグインを使用することであらゆる形のスタディが複数同時に作れたりするので、 rhinocerosはつくれる形が自由で効率的! 形をつくる自由度が比較的低いsketch upはオワコンだ! そんな風に考える人も多いかもしれません。 但し、僕は決してそうは思いません。 CG作成経験のある学生の設計課題に使えるソフトはどれですか? と聞かれたら、 rhinocerosです。 と答えます。 このソフトであれば、 ある程度は図面も書けるし、形の自由度が高く、設計課題としては、新鮮な案、がつくりやすくなるからです。 実務に使えるCGはどれですか? CGをこれからはじめたい人におすすめのソフトは? と聞かれたら、 断然、sketch upです。 と答えます。 これからその理由を説明いたします。 理由①実務ではCGで形から建築をつくることはほぼない 学生の設計課題で求められるものは、 学生ならではの発想の自由度の高いものや新鮮さですが、 実務の設計でまず求められるものは、 お施主さんの要求を確実に満たすことであり、 その後で、事務所の特色にあったデザインがはじまります。 お施主さんの要求には様々なものがありますが、 住宅の設計にせよ、公共建築の設計にせよ、 求められるものは、 どんな部屋が必要か、 その部屋の大きさは〜以上必要だ、 と面積に関わるものが大きいです。 ふんだんに予算があるプロジェクトであれば可能かもしれませんが、 適切な予算の範囲内で進めるプロジェクトにおいては、 形を先につくり、平面を後から考えていく設計では予算の調整がとても難しくなります。 そのため実務では、平面図を書き、その図面を元にお施主さんの要望を満たしているかチェックを行い、その後にCGをつくっていく進め方が大多数を占めます。 そのためCGをつくる段階では、作図ソフトで作成した図面が手元にある状態であることがほとんどなので、 CGソフトに作図能力が備わっていることは、あまり利点にはなりません。 理由② 実際の建物は複雑な形状でつくられることはあまりない 街を見渡してみてください。 四角や丸以外の自由な曲線でつくられている建物がどれほどあるでしょうか。 どれだけ複雑につくられているように見える建物も、 要素を分解してみると、 四角や丸などシンプルな幾何学で組み合わさってつくられていることが見えてくると思います。 四角や丸など、シンプルな形状でつくられる建物が多いのは、 創意工夫や新鮮さに対する追求が足りなかったからではないと思います。 シンプルな形状が経済的に合理的だから、これが理由の大きな1つだと思います。 自由な立面を謳う近代建築の時代にも、 矩形で構成される建物が多かったのは、 建物は、経済的な制約からはなかなか離れられないからだと思います。 だからこそ、自由な形状に惹かれるし、 挑戦したいという思いは出てくるけれども、 現実に実務の場で行う設計において、 自由な形状をつくることはあまりない、 その事実は知っておくとよいと思います。 そういった理由から、 rhinocerosの、 自由度の高い形状がつくれるという特徴は、 実務の範囲内においてはあまりつよい利点にはならない、とも言えます。 理由③ sketch upは習得が早い スケッチアップをおすすめする最大の理由は、 かなり早くに習得ができるからです。 僕は母校の生徒を対象に、CGのやり方を伝える勉強会を定期的に行っていますが、 みなさん大体2日程度やり方を伝えるだけで、 モデリングができるようになります。 rhinocerosのように、 コマンドが多いソフトではそうはいきません。 CGを習得する上で最も大きな障壁になるのは、 細かい操作の部分でつまづいてしまい、イヤになり、挫折することです。 rhinocerosの自由度の高さは、操作するコマンドが多いことで生まれます。 そのコマンドの多さが、多くの人にとっては、挫折の原因にもなっています。 そのため、まずはsketch upの技術を習得することをおすすめしています。 僕自身は学生の頃にsketch upの技術を習得し、 アトリエ設計事務所に就職後、働きながらrhinocerosの操作を学びましたが、 sketch upでモデリングの特徴は掴んでいたおかげで、 rhinocerosの技術習得はさほど大変ではありませんでした。 習得に時間はかからないので、 どうしてもrhinocerosに憧れている学生も、 sketch upでモデリングの感覚を先に掴むようにすると、 挫折なくCGがつくれるようになるのではないかと思います。 そして実務でCGをつくるようになってから、 sketch upでつくれない建物はほとんどないな、 ということにも気づいていくと思います。 そのためまずは、 sketch upでモデリングをやる方法、を次の頁から記していこうと思います。 実務に即すよう、 無駄なく効率的に、設計変更に耐え得るような方法を、 独学で学びつつブラッシュアップしていった方法なので、 設計課題にも実務にも活きる技術を、短期間で習得できるようになると思います。 モデリングは、 図面データをsketch upに取り込むことからはじめていきます。 sketch upの有料版を使用することで、 図面をモデリングソフト上でかく手間が省けますので、 まずはsketch up Proを購入することをおすすめしています。 作図にかかる時間をなくし、精度の高いCGをつくることができるようになります。 ※レンダリングソフトの購入は、 モデリングの技術を習得してからでも遅くないと思います。 僕自身は独学で学びつつ、プレゼン用CGの作成を繰り返す度にブラッシュアップしたので、 とても時間がかかりましたし、体力もかなり使いました。 この情報を共有することで、皆さんが楽に楽しくCGの技術が習得できるようになることを願います。
CG

CGをはじめよう!けれどまずは何を用意すればいいんだろう、と思う方へどんな種類のソフトがあるのかおすすめを紹介します。

どんな種類のソフトがあるのかおすすめを紹介します。 まずは参考に、 僕が使用経験のあるソフトを列挙します。 学生の頃には、 ・vectorworks(作図ソフト) ・sketch up(モデリングソフト) ・SU Podium(レンダリングソフト) 以前に働いていたアトリエ事務所では、 ・autocad(作図ソフト) ・rhinoceroses(モデリングソフト) ・Enscape(レンダリングソフト) ・Photoshop(画像処理ソフト) ・InDesign(同じくレイアウト用ソフト) 現在働いているアトリエ事務所では ・vectorworks(作図ソフト) ・sketch up(モデリングソフト) ・V-ray(レンダリングソフト) ・Photoshop(画像処理ソフト) ・Illustrator(レイアウト用ソフト) 以上のように、僕はいくつかのソフトの使用経験があります。 これからCGをはじめたい! という人に向けて、 実務に役立つおすすめのソフトについてお話しします。 結論としては、 ①モデリングソフト → スケッチアップ ②レンダリングソフト → V-ray or podium ③画像処理ソフト → Photoshop ④レイアウトソフト → Illustrator or InDesign or vectorworks 以上がいいと思っています。 その理由を次の頁からご説明していきます。
CG

CGで自分の設計案を表現したい!けれどどんなソフトを揃えればいいか分からない、という方へ。

よし、CGをやってみよう! そう思うきっかけは人により様々だと思います。 設計課題がはじまり自分の設計案を表現したい! 就活のアピールになるよう技術を身につけたい! お施主さんへのプレゼン用にCGを導入したい! などなど。 その方の多くは、 リアルなCGを作るために、 どんなソフトを必要なのかが分からない方も多いのではないでしょうか。 まずは、 どんなソフトが必要なのか、 どんな種類のソフトがあるのか、 その説明からしていきます。 CGを作るためのステップは、 ①モデリングをする ・この時点ではリアルなCGにはなりません。 ・建物の形のみを先につくる作業になります。 ↓ ②モデリングしたデータをレンダリングする ・レンダリングを行うことで、影や、仕上げの質感が表現され、リアルなCGになる ↓ ③レンダリングしたデータを画像処理ソフトで加工する ・敷地写真とレンダリングしたデータを合成したり、人や植栽の点景を入れて、リアルなCGの完成 ↓ ④完成したCGをプレゼン用の資料にレイアウトする ざっくりプロセスをご説明すると以上の通りです。 つまり、 ①〜④に必要なソフトを揃えることで、 リアルなCGを作成していくことができます。 安くはないソフトを4種類も集めるのは大変だ、 と思われるかもしれませんが、 ③と④はCGだけでなく他の用途にも使えるソフトですので、 CGのみに必要なソフトは実質2つのみです。 建築の仕事をしていくには、 ①〜④のソフトは必ず使用することになりますので、 ソフトのインストールと、技術の獲得は早いに越したことは無いと思います。 次の頁では、 ①〜④のソフトにどのようなものがあるか、 どのソフトがおすすめかを話していきます。
CG

CGで建築を表現してみたい!という方へ

CGで建築を表現してみたい!という方へ オープンデスクに来てくれる学生さん達とお喋りをしていると、 ほとんどの大学や専門学校では、 2年生ぐらいの頃から設計課題がはじまり、 自分の提案したい設計を、図面や、手書きスケッチ、模型、CGで表現することが求められている、ということが分かります。 ただ、その求められ方も、 あなたのやりたい建築を考えてください! そして、 あなたのやりたい表現でA2の紙にまとめてください! とかなりアバウトなんだな、と感じます。 アバウトな求められ方にも利点はあって、 制約がないからこそ自由に考え試行錯誤する余地が生まれるので、 大学という研究機関においては相応しい課題の出し方とも言えるかもしれません。 ただし、誰もがはじめる時には初心者で、 基本的なやり方が分からなければ試行錯誤するスタートも切れない、 これが実際なのだと思います。 僕は母校の卒業生を対象に、 CGの作り方や模型の作り方、建築法規の整理の仕方を伝える勉強会をたまに開きますが、 皆さんとても貪欲に聞いてくださります。 無駄なく合理的で、 実務に即した実践的な方法を学びたい、 というつよい熱意を感じます。 ただしそんな方たちも、 自由にやっていいよ、の一言だけしかもらえなければ、 どうはじめたらいいか分からない、 とりあえずはじめてみたけど、細かいところでつまづいてしまい進まない。 そういう話をよく聞きます。 貪欲に学ぶ姿勢があって、 学ぶための方法に飢えている方達が、 方法を知らないだけで、 自分は向いてないと思いこみ、 思い詰めてしまうのは、 本当にもったいのないことだと思います。 僕自身も建築事務所で働きはじめてから、 同じような無力感を数年間も抱き続けていたのでとても気持ちが分かります。 だからこそ、微力ながら助けになれたら、という気持ちになります。 一方で、建築家の方達に話を聞くと アトリエ事務所で働こうとする学生が年々減っている。 そんな悲観的な話をよく聞きます。 僕は現役の学生や卒業生とよく会い話をするので、 学生達の現状と、建築家の考える今の学生の像に、 大きな乖離があることを、ここにつよく感じます。 現状は、 建築アトリエ事務所に行きたい学生が「いない」のではくて、 建築アトリエ事務所に行きたいけれど「学び方と就職の仕方」が分からない学生が多くなってる、 というのが正しい理解なのではないでしょうか。 確かに一世代二世代前に比べれば、 アトリエ志望の学生は格段に減り、 経験よりも安定を求める学生が増えてるのは事実だと思います。 物価は上昇しつつも給料は上がらない日本で暮らしていれば。 将来に対して悲観的になり安定を求めるのは自然なことです。 ただ、アトリエ事務所で働きたい学生は依然十分にいるように感じます。 アトリエ事務所で求められる人員は、他の企業比べたら圧倒的に少ないからです。 であるならば、 足りていないのはアトリエ志望の建築学生の「数」ではなくて、 アトリエ志望の建築学生の学びや経験を積む「機会」なのではないでしょうか。 僕自身もアトリエ建築事務所スタッフとして働きながらなので大して時間は取れませんが、 ちょっとでもアトリエ志望の学生が学ぶ「機会」となるような頁をつくれたらと考えています。 アトリエ建築事務所を辞めても、 再度アトリエ事務所に挑戦しなよ、と僕を後押ししてくれた、 尊敬する建築家や友人達への恩返しにも繋がればいいな、と思います。 次の頁から、 まずはCGの話からしていこうと思います。 ●基本的に、、、 □本に初めから取り組むのは時間がかかる取り組み方 ・既に経験を積んでいる人から教わる ・友人と同時に取り組みやり方を教えあいながら進める →そのため昼間部で学んでいる期間が最もCG技術を早く上達する機会になります あと、CGの講義はd.fではあまり教わらないCGのやり方をお伝えすることで、 d.f生のCG能力向上のきっかけになればいいと思い学校への恩返しの気持ちでもやっているので、 これをきっかけにして情報を個人の中に留めず、 皆さんで教えあっていただき他の生徒にもCGの使い方を伝えていただければ幸いです。 ※僕は働きながら本でCG勉強しましたがかなり時間かかるし大変です。
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