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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_④取り込んだ図面を基に壁を作成する、前に復習を

前の頁にて、 Sketchupに取り込んだ図面を基に、 床を立てていきました。 次に壁を立てていきたい、ところなのですが 前回説明したやり方はとても重要なので一度復習を兼ねて詳しく説明したいと思います。 操作を覚えるだけでなく、なぜそうするのか、を知ることでより記憶に定着もしやすくなります。 初めは覚える内容が少ない方が定着が早いので、 数少ない操作だけでモデリングができるよう、 汎用性が高い方法にしぼりお伝えしています。 そのため、 壁の作り方も床の作り方と同じ方法でやることができます! なのでまずは焦らず前回の復習をしていきましょう。 まず、レイヤーに関する重要な2つのルールは下記の通りです。 ①現在のレイヤーは常に、必ず「レイヤー0」にしておく ②オブジェクト(SketchUpにおける線や面のこと)のレイヤーは全て「レイヤー0」にして、  グループのみに「1F_床」や「1F_壁」のように個別のレイヤー名をつける 以上のシンプルなルールを習慣化することにより、 ・グループについてるレイヤーと、グループの中のオブジェクトが一致しない、レイヤーがごちゃごちゃになる ・レイヤーがしっかり分けられていない という状況を完全に防ぐことができます。 ①のルールのつよみは、 ・操作を行うごとに現在のレイヤーを設定する必要がなくなる 現在のレイヤーの意味は、次に描く面や線などのオブジェクトをどのレイヤーに入れるか、というものです。 現在のレイヤーを「レイヤー0」に常に設定しておくことで、これから描く線や面などのオブジェクトを自動的に「レイヤー0」に入れておくことができます。 「レイヤー0」は「デフォルトのレイヤー」とも呼ばれる特別なレイヤーですこし理解しづらいですが、 上記の方法で行えば「レイヤー0」については特に考えずとも作業ができます。 ↓ つまりまとめていうと、「現在のレイヤー」や「デフォルトのレイヤー(レイヤー0)という煩雑な設定をないものとして考えることができます! 考えなくてはならない要素が少ない方が習得が早く、ミスが減ることになります。 ②のルールのつよみは、 「デフォルトのレイヤー(レイヤー0)」は今後操作や編集したりしないため、ないものとして扱うことができます。 そのため、グループにつけているレイヤーとオブジェクト(線や面など)につけているレイヤーが揃わなくなる、という事態が起きなくなります。 そして、前の頁で紹介したやり方を習慣づけることで、 上記の①②のルールを自然と守りつつモデリングを行うことができます。 次の頁から、 壁をつくっていく作業を行なっていきます。 床と壁、そして屋根をつくることができるようになればほとんどの建築はつくれるようになるので、 是非次の頁も見ていってください。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_③取り込んだ図面を基に床を作成する

前の頁にて、 SketchUpに取り込んだ図面を整える作業を行ってきました。 これからいよいよ、取り込んだ図面を基に、 床や壁を立てていきます。 また、レイヤーを整理しつつ壁などをつくる、 シンプルにして強力なルールも説明いたします。 ここのルールを知り習慣づけることで、 ・レイヤーがごちゃごちゃになってしまう ・意図してないところで線や面がくっついてしまう などを防ぐことができるようになります。 ぜひ最後まで読んでみてください。 ・まずは、床をつくっていきます。 概念の説明から入るとややこしくなるので、まずは床や壁をつくる作業方法を体で覚えてしまうのがよいと思います。 ↓ ・現在のレイヤーを「レイヤー0」にする ※「デフォルトのウィンドウ」の「レイヤー」の「レイヤー0」の左に黒丸をつけた状態にする ↓ ・「四角形ツール」で図面の端の1点と対角線の1点を「左クリック」して面をつくる ↓ 面をつくったら、「選択ツール」で「ダブルクリックする ※面をダブルクリックすると、面とそれに接する線の全てを選択することができます。 ↓ 面とその周りの面が選択された状態(青くなった状態)で「右クリック」→「グループを作成」によりグループ化する ↓ ・新たにレイヤーを作成する 「デフォルトのウィンドウ」の「レイヤー」の「プラスマーク」を押して、新たにレイヤーを作成する ↓ 新たに作成したレイヤーの名前を変える 新たに作成したレイヤーを「ダブルクリック」して名前を入力します。 まずは1Fの床を作成していくので、 「1F_床」という名前に変えます。 ↓ ・グループにレイヤー名をつける 「選択ツール」でグループを選択した状態で「デフォルトのウィンドウ」の「エンティティ情報」の 「レイヤー」を変えることでグループに名前をつけることができます。 ※例えば1階の床なら「1F_床」2階の壁なら「2F_壁」のように名前をつける ↓ ・作成したグループを「ダブルクリック」してグループを編集するモードに入る ※グループの編集中は、編集しているグループを点線で囲っている状態になります。 ↓ 面を「選択ツール」で選択して、面が選択された状態で「プッシュプルツール」を選択 さらに面を「クリック」して、高さ分の数値を入力 ↓ キーボードの「esc」を押すか、グループの外のどこかてきとーな所をクリックして、グループを編集モードから出る 以上で床の作成は終わりです。 シンプルな直方体をつくるのにもかなり手間がかかると思われた方もいるかもしれません。 ただ、この動きを習慣化してしまえば十数秒で終えられるようになりますし、 このやり方1つで、床も、壁も、屋根も、つくれるようになります! そしてさらに、 レイヤーがごちゃごちゃになり後で整理ができなくなってしまったり、 意図してないところで線や面がくっついてしまう などを防ぐことができます。 たった1つの動きを覚えるだけでこれらの効果が得られるのは大きいと思います。 初めは覚える内容が少ない方が定着が早いので、 数少ない操作だけでモデリングができるよう、 引き続き、汎用性が高い方法にしぼりお伝えしています。 次の頁にて、壁を作成していきます。 床と同じ容量で作成していきますが、 「プッシュプルツール」を用いつつ数値入力をせずに効率的に壁をつくる方法や、 コピー(複製)を用いて壁をつくる工程を省略する方法など、 より効率的な方法について説明していきますので、 是非次の頁も見ていってください。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_②SketchUpに取り込んだ図面データの調整とレイヤーについての説明-2

前頁の操作で、 SketchUpに取り込んだ図面データの ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている の2つの修正を行いました。 この頁で、 ③図面ごとにレイヤーを整理する の修正を行い、図面データの調整は終了です。 慣れると①〜③の動作も10分とかからず行えるようになっていきます。 では、③図面ごとにレイヤーを整理する を行っていきます。 後ほど改めて丁寧に説明いたしますが、 なぜレイヤー分けをする必要があるのかを簡単に説明します。 シンプルに説明すると、 レイヤーは、一部分を表示したり非表示にしたりするために用います。 そのため今回は、 1階平面図には「00_1階平面図」 2階平面図には「00_2階平面図」 立面図には、、、 のように、各図面ごとにレイヤーを与えていきます。 ・まずはグループを解除します。 こちらの理由も後ほど詳細を説明しますが、 シンプルにして強力なルールとして、 「オブジェクトにはレイヤーを与えない」 「グループには必ずレイヤーを与える」 という2つを僕は掲げております。 ※オブジェクトとはsketch up上の線や面のこと ※グループとはその線や面の集合を1つにまとめたもののこと そのためまずは平面図や立面図などがまとまってグループ化されているものを一度解除します。 ・図面がまとまっているグループを「選択ツール」で選択 ↓ ・選択状態(図面が青い状態)のまま「右クリック」→「分解」 以上でまずは各図面をまとめていたグループが分解されます。 ・次に、各図面ごとにグループ化をしていきます。 「選択ツール」をつかって、左下から右上(もしくは右下から左上)にドラッグして1階平面図だけを選択します。 ↓ ・1階平面図だけが選択されている状態で、「右クリック」→「グループ化」で1階平面図をグループ化します。 ・次に、グループ化した1階平面図に(1階平面図)という名前のレイヤーを与えます。 ↓ ・「ウィンドウ」→「レイヤー」をおし、レイヤーのウィンドウを画面上に表示させます。 ↓ ・レイヤーのウィンドウの「十字の絵をした部分」を押すとレイヤーが追加されます。 ↓ ・追加したレイヤーをダブルクリックすると名前が編集できる状態になるので、「1階平面図」と名付けます。 ↓ ・先程グループ化した1階平面図を選択します。 ↓ ・ウィンドウにある「プロパティ」のレイヤーの矢印を押して先程作成したレイヤーである「1階平面図」を選択します。 以上の操作で、1階平面図に「1階平面図」という名前のレイヤーを与えたことになります。 これを 1階平面図、2階平面図、3階平面図、、、 立面図_北、立面図_東、立面図_南、、、 など各図面に対して行い、それぞれの図面にそれぞれのレイヤーを割り当てます。 つまり流れとして、 ・レイヤーを追加して名前をつける ↓ ・グループを選択してレイヤー名をつける を各図面に対して行います。 すると、 各図面がそれぞれグループ化されていて、 かつ 各図面にそれぞれにあったレイヤー名が割り当てられている状態になります。 以上で、 SketchUpに取り込んだ図面データの調整の操作は終わりです。 おつかれさまでした。 調整だけでとても細かく長く感じたかもしれませんが、 慣れてくると図面を取り込んでから10分もかからず終えられるようになります。 初めにどれだけ丁寧に整理したかでこの後の作業の効率が大きく変わりますので、 まずは丁寧な下準備をする習慣をつけておくのがよいと思います。 次の頁から、いよいよ床や壁を立てていきます。 レイヤーを整理しつつ壁などをつくる、 シンプルにして強力なルールもしていきますので、 是非次の頁も見ていってください。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_②SketchUpに取り込んだ図面データの調整とレイヤーについての説明-1

以前に、SketchUpに図面の取り込み方について説明いたしましたので、 その続きのやり方からお伝えしていきます。 現在取り込まれた図面は、 ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている ため、この2つをまずは調整していきます。 操作数が少なく、極力シンプルで実務で使う際にも有用な技術が得られるよう伝えていきますので、 よろしくお願いいたします。 いろんな種類の操作方法がありますが、 出来るだけ少ない操作で汎用性のある方法で行っていきます。 ①縮尺の調整 まずは取り込んだ図面全体をグループ化します。 グループ化の意味については今後説明していきますので、 まず初めは、操作を覚えていくのがよいと思います。 ・「選択ツール」をクリック ↓ ・取り込んだ図面の右下を左クリックしてドラッグ&ドロップの要領で図形を囲む ※選択された部分は青くなります。 ↓ ・選択された青くなった取り込んだ図面を右クリックを押し→「グループ化」を選択 ※右クリックを押したメニューに「グループ化」がない場合、図面がすでにグループ分けされている場合があります。 次に、スケッチアップに取り込んだ図面を何倍にしたら適正な大きさになるかを調べていきます。 電卓を用いるアナログな方法ですが笑、 シンプルで覚えやすいためかなり有用かと思います。  ・どこでも構いませんので取り込んだ図面のどこかの寸法をまずは測ります。 ※ この時点で、念のため単位がmmとなっていることを確認してください。 単位がfeetなどになってしまっている場合があります。 確認方法は、ウィンドウ→モデル情報→単位、を押して、 十進法のmmになっているかどうかを確認する ↓ ・「メジャーツール」をクリック ↓ ・測りたい部分の片方の上にカーソルを合わせクリック、次の点をクリック すると、選択した2点の長さが右下の四角い部分に表示されます。 ↓ ・今回は壁の厚みを測ってみると〜mmと出ました。実際の壁の厚みはCADソフトで調べてみると〜mmなので、実際よりもsketch upに取り込んだ図面は大きくなってしまってることが分かります。 ↓ ・sketch upに取り込んだ図面を何倍したら、正しい大きさになるかを調べます。 やり方はとてもアナログでシンプル。スマホなどの電卓機能を使います。笑 (CADソフトで計測した寸法)÷(sketch upで計測した寸法)=(何倍したら正しい大きさになるか)を行います。 今回の場合は、 〜mm ÷ 〜mm =〜となります。 ・グループ化した図面を選択ツールで選択 ↓ ・sketch upの「尺度ツール」をクリック ↓ グループ化した図面の周囲に緑の点が現れるので、緑の点をクリックします。 ↓ 右上の緑の点を1クリックします。 ↓ 数値入力で、先ほど電卓で計算した値を入力します。 ※入力した値に応じて図面が小さくなります。 例えば、 0.5を入力すると1/2倍の大きさに、 2を入力すると2倍の大きさになります。 ↓ この時点で、図形全体が適正な大きさになっているはずです。 念のため、先ほどと同じ位置の長さを「メジャーツール」で測ります。 ※今回は壁厚が〜mmで、SketchUpに取り込んだ図面データも〜mmであることから、適正な大きさになったことが確認できます。 以上の操作で、 ①縮尺がおかしくなっている ②レイヤーがバラバラになっている の2つの修正が完了しました。 次の頁で、 ③図面ごとにレイヤーを整理する の修正を行います。
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レンダリングに挑戦してみたい!けれどどのレンダリングソフトがいいのか分からない、という方へ。

CGをやってみたい人の多くは、自分の設計をよりリアルなビジュアルで表現してみたい、 そう思いはじめる方が多いかと思います。 以前にご説明した通り、リアルなCGをつくるプロセスをざっくりと記すと下記のようになります。 ①モデリングをする ↓ ②モデリングしたデータをレンダリングする ↓ ③レンダリングしたデータを画像処理ソフトで加工する ↓ ④完成したCGをプレゼン用の資料にレイアウトする 今回はこの②に使用するレンダリングソフトでは何がおすすめかをお伝えしていきます。 結論としましては、 ・CG初心者で費用を抑えたい人はPodium ・CG経験者でお金に余裕ある人はV-Ray になると思います。 以下に理由を記していきます。 ●Podiumをおすすめする理由 ①操作がシンプルで習得が早い モデリングソフトとしてまずはsketch upに取り組むことをおすすめしたように、 Podiumをおすすめする最大の理由は、 かなり早くに習得ができるからです。 V-Rayは調整する項目が多く、だからこそ細かな調整が可能になるのですが、 習得に挫折する可能性は上がります。 CGを習得する上で最も大きな障壁になるのは、 細かい操作の部分でつまづいてしまい、イヤになり、挫折することです。 ですから初心者には断然、Podiumをお勧めします。 PodiumとV-Rayの仕上がりに大きな差がつくのは外観のCGを作成した時なので、 まずはPodiumでレンダリングに慣れてから、 数年して外観の仕上がりを極めたいと思った際にV-Rayを導入するのがよいと思います。 ②レンダリングソフトの中では断然安い 理由2つ目は、レンダリングソフトの中ではかなり安いことです。 カキーシャなどそもそも無料で永久に使えるレンダリングソフトも中にはありますが、 完成度があまりに低く実務の使用には耐えません。 実務のプレゼンに使用できるレベルの完成度のレンダリングが可能で、それでいて安いのがPodiumのかなりの魅力です。 V-Rayが年間に10万円ほどかかるのに対し、 Podiumは一度買えば永久に使えて4万円程です。 圧倒的な安さだと思います。 また、Twinmotionなど、商用には使用できないけれど学習用であれば無料にできてかつ完成度の高いレンダリングソフトの方がよいのでは? というお声もしばしばいただくので、 それについての見解も詳しく述べておこうと思います。 無料で高い完成度!※但し商用利用は不可 のTwinmotion!には誰もが魅力を感じるものと思います。 但しここで注意すべきなのは、 なぜ企業が無料で提供するのか、についてです。 お金を稼ぐためにレンダリングソフトを販売する会社がなぜ無料で学習用に提供するかというと、 まずは無料でマーケットを広げて多くの人に技術を身につけさせて、 広まった後に課金を開始し、徐々に値段を上げていくためです。 一度無料期間にTwinmotionの技術を身につけた人は、 課金を開始された後にもせっかく身につけた技術だからとTwinmotionを手放せず、値段を上げられても支払う以外になくなっていきます。 adobeのPhotoshopなどに無料配布の期間があったことを思い返せばご納得いただけると思います。 さらに高額な支払いに追い討ちをかけるのは、 ・サブスクの時代がやってくる ・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない仕様に今後なっていく の2つがあります。 ・サブスクの時代がやってくる いまソフト関連の会社で軒並み株価を上げているのは、ソフトを買い切り(一度買ったら永久に使用できる)で販売する会社ではなく、 サブスク(使用し続ける期間中、毎月や毎年お金がかかる)の形式でソフトを販売している会社です。 adobeなどのソフト販売会社に限らず、皆さんご存知のNetflixもAmazonも、急成長している会社はどこもサブスクの形式でサービスを提供しています。 サブスクの形式がビジネスモデルとして有用であることが証明されている現在、 これから全てのソフトが買い切りの形式ではなく、サブスクの形式でサービスが提供されるようになる日は近いと思います。 買い切りとサブスクにかかかる費用は桁が違います。 比べてみると、 1年間の間では、 V-Rayは10万円(10万円/年間 サブスク) Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り) 6万円ほどV-Rayの方が高い 10.年間の間では、 V-Rayは100万円(10万円/年間 サブスク) Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り) 96万円ほどV-Rayの方が高い 20年間の間では、、、、 値段にどんどんと差が開いてきます。 さらにサブスクの時代は加速していきますから、 今のうちに質が高く値段を抑えたレンダリングソフトを入手しておくか否かで、 10年間で100万円弱の費用の差が出ていきます。 ・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない さらに、今後は商用利用でないものを商用に利用することが不可能な時代になっていきます。 元々が、商用でないものを商用に利用するのは違法でしたが、 オフラインで使用できるソフトが多いため、非商用ソフトを商用には利用する人も多くいました。 ただし、これからはネットに繋げた状態でしかソフトを利用できない形式が増えていくため(adobeの photoshopやIllustrator等が既にその傾向にあります)非商用のものを商用に利用するとすぐに発覚するようになります。 そのため結論として、 「商用」の「買い切り」のレンダリングソフトをいかに早く買っておくか。 これで長期的にかかる費用が断然と変わってきます。 僕らは買い切りの商用ソフトが買える最後の世代になるかもしれません。 podiumが買い切りで4万円が高いと感じていた方も、 長期的な視点で考えるといかに安いソフトなのかがお分かりいただけるのではないかと思います。 以上がpodiumをおすすめする理由です。 これからCGをはじめる方や、 生涯、CGにかけるコストを削減したい方はpodiumを早めに購入することをおすすめいたします。 また、経営的に余裕のある方は、 外観のCGを極めたいためV-Rayを極めたいという方もいるかもしれません。 そんな方のために、V-Rayの利点も別の頁で説明していこうと思います。
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モデリング実践編_実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えします_①図面データをSketchUpに取り込む

実務に向いたCGモデリングの方法をお伝えしていきます。 まずは、 ①図面データをSketchUpに取り込む からです。 参考書で独学していくと、 SketchUpやRhinocerosなどのモデリングソフトを使用して、 モデリングソフト上で図面を書いていく手順を紹介していたりしています。 この方法で習得することは決しておすすめしていません。 ・実務ではCGをつくる段階で手元に図面データがない、状態はほぼあり得ない ・モデリングソフトは図面を書くには向いていない からです。 そのためここでは、 VectorWorksやAutoCAD、Jw_cadなどの作図ソフトで既に図面の作成は終えており、 作図ソフトで作成した図面データを用いてモデリングするやり方をお伝えしていきます。 無駄なく効率的で、 設計の変更に伴う修正に対応しやすい方法になるようまとめております。 ①-1 図面データのデータ形式をdxf化する 実務で作業をしていくと様々なソフトを使用することになります。 SketchUp 、VectorWorks 、AcrobatPDF、Photoshop、Illustratorなど。 そしてそのそれぞれのソフトのデータ形式は異なっています。 SketchUpは「.skp」 VectorWorksは「.vwx」 AcrobatPDF「.pdf」 Photoshopは「.psd」 Illustratorは「.ai」など。 それぞれのソフトを用いてデータを作成し保存した後、 そのデータの末尾についているものがデータ形式です。 〜.pdf 〜.skp 詳しく理解する必要はなく、 異なるソフトで作成した異なるデータ形式のデータを開くことは原則できない、 例えば、 SketchUpで〜.skpのデータ形式のデータは開けるけど、 SketchUpで〜.vwx のデータ形式のデータは開くことができない、 ということだけ理解すれば十分です。 また、dxf形式というのはVectorWorksでもSketchUpでも開くことのできるデータ形式であるため、 VectorWorksで作成した図面データの形式を「.vwx」から「.dxf」に変換することからはじめていきます。 方法は下記の通りです。 ・「ファイル」 →「DXF/DWG取り出し」 ・形式はDXF(テキスト形式) ・バージョンは2000 ・非表示のクラスを「取り出さない」 ・レイヤーを別々のファイルに取り出す→チェックせず ※バージョンが高すぎると、古いソフトからは開きづらくなるので、  2000くらいを推奨します。 →「OK」 →保存する場所の指定、デスクトップ上に保存でよいと思います。 以上で指定した場所にdxfデータが保存されます。 ①-2 SketchUpでdxfデータ化した図面を取込む SketchUpでdxfデータ化した図面を取込むことで、 図面を元に正確なモデリングを作成していくことが可能になります。 方法は下記の通りです。 ・「ファイル」 →「インポート」 →先ほど保存したdxfデータを選択 ※dxfデータが選択するには、  ファイル名の種類を「dxf」にする必要があります。 →「開く」 以上の①-1 、①-2のステップで、 SketchUpに図面が取り込まれた状態となります。 ただ、この段階では、 図面の大きさが誤った大きさになっていたり、 レイヤーがSketchUpに即したものにはなっておりません。 次の頁では、 SketchUpに即した図面の調整方法と、 レイヤーとはそもそも何かについてお伝えしていきます。
オープンデスク

オープンデスクに行ったがあまりいい経験ができなかった、という方へ。考えられる原因についてお伝えします!②

オープンデスクに参加したけれどいい経験を得られなかった原因は、 ① 建築家とスタッフとの間にある「ズレ」 ② 建築家と建築学生との間にある「ズレ」 にあるのではないか、という話を前頁ではしました。 ここでは、 ②の「ズレ」をどのようにしたら解消できるかについて、 お話していこうと思います。 やることは下記の2つだけです。 ・自分がオープンデスクにどんな経験や機会を期待しているかを事前に整理する ・建築家に事前に自分が期待していることを伝える やることはただ、この2つだけです。 これからオープンデスクに参加する方は、 何に期待できるのかが分からないし、 伝え方も分からない、という方が多いと思いますので、 まずはどんなことに期待する建築学生が多いか、 を記してていこうと思います。 大きく分けると下記の3つなのではないかと思います。 まずは自分がa,b,cのどれに近いかを把握することからはじめるとよいと思います。 a.そもそもアトリエ建築事務所で働くことがどういうものかを知りたい b.好きな建築家の元で経験を積んでみたい c.就職活動としてその事務所で働くきっかけにしたい a.アトリエ建築事務所で働く環境について知りたい 建築事務所のオープンデスクに初めて参加する人のほとんどはここに該当すると思います。 ここに該当する方のまず知りたいことは ・オープンデスクで何をやるのかをまずは体験して知りたい ・いつか実務で働くために学生のうちに何をやるべきか知っておきたい ・自分がアトリエ事務所で働くことができそうか試してみたい ・ブラックとはよく聞くけれど実際どんな就業環境なのか見てみたい などなど、、、ではないかと思います。 こういう方が「ズレ」を解消するには、 オープンデスクは初参加であり、 そもそもオープンデスクでどういったことが経験できるかが分からない。 けれど、アトリエ建築事務所で将来働くことを考えているので、 建築事務所で働く事がどういうことなのか、 知ることができたらと思い参加してみました、 のように素直にはじめに伝えることが大事なのではないかと思います。 皆さんが知らないことが分かれば、 建築家の方から、こんなことができるよ、とか、現場に行きたい?、などと提案してくださることもあります。 ただ何も伝えずにオープンデスクに応募するより、 建築家の方からの提案はずっとしやすくなります。 黙々といきなり作業をはじめるのではなく、 まずは何も知らないので知りたい!ということを建築家に伝えることが大事だと思います。 知らないことを伝えるだけで大きく状況は変わると思います。 b.好きな建築家の元で経験を積んでみたい 建築そのものが好きな建築学生だと、 自分の好きな建築をつくっている場がどのような環境で生まれているのか、 どういう過程を経てその建築が生まれているのかを知りたい、 そういった動機で参加する方もいるかと思います。 僕自身は好きで尊敬のできる建築家のところにだけオープンデスクに参加していたので、 ほとんどがb.に該当していました。 こういう方が「ズレ」を解消するには、 自分がその建築を本当に好きだということを建築家の方に伝えることが大事だと思います。 当たり前でシンプルすぎるかもしれませんが、 当たり前でシンプルな、好きな建築をしっかりと好きだと表現している学生を僕は見たことがありません。 オープンデスクに応募している時点で思いは伝わるだろう、 と考える学生は多いようですが、 建築家の側からすると、 好きな気持ちを表現せずに淡々と作業のみをする学生は、 この事務所でなくてもいいんだろうな、 アトリエ事務所で働くのがどういうことなのかを知るために参加してるんだろうな、 と見えていることが多いです。 当然だとは思いますが、 自分の設計を本当に好きで来てくれている人と、 漫然とオープンデスクに来ている人とでは、 建築家側の、何かしてあげたいという気持ちは変わってくると思います。 そのアトリエ事務所の建築のどういうところが好きなのか、 自分の設計課題をやる際にこういうところを参考にさせてもらってる、 など、 具体的にその事務所の建築が好きなところ、 その建築家の尊敬しているところをしっかりと表現し、伝えている人はどれほどいるでしょうか。 伝えていないものは伝わらないので、やはり伝えた方がよいです。 お互いの相性やタイミングがあえば、就職に繋がることもあります。 c.就職活動としてその事務所で働くきっかけにしたい アトリエ建築事務所への就職は他の業界の就職とは異なります。 ・年中いつでも募集はしている ・人事部などがないため、建築家の人が気にいるかどうかで採用不採用が決まる などが特徴的なところでしょうか。 この、気にいるかどうか、の基準が建築家により異なり、 技術があるかどうか、人当たりがいいかどうか、実務経験があるかどうか、他の事務所の色に染まっていないかどうか、 など、どこに重きを置いているかが異なります。 事務所ではどういう人をスタッフとして求めているのか、 自分が事務所の雰囲気に合うかどうか、 それを知るために、就職活動として、オープンデスクに参加したい方もいるかと思います。 その方に限っては、 初めから、働きたいと思ってます!というのは確かにリスクもあるかもしれません。 自分が合わないな、と感じたら辞退をする可能性もあると思うからです。 実際に、オープンデスクに来た学生にオープンデスクに参加した理由について話を聞くと、 そもそもアトリエ事務所に行くかどうか考えている段階で、、、 就職活動中ではあるんけれどもまだどこかは決めかねていて、、、 と曖昧な回答をする人がほとんどなのは、 自分から辞退する可能性を残しておくため、という理由も大きいのだろうと感じます。 但し、この曖昧な姿勢が長く続くと、 建築家の側からすると、 うちに入りたいようにも見えるし、そうでもないようにも見えるし、どちらなのだろう。 そもそも入りたいなら、ハッキリ伝えに来ればいいのに。自分から来るぐらいの積極性もなくて、うちに来るかどうか迷うぐらいなら、どの道スタッフに採用しても続かなさそうだな、 とネガティヴな印象を持たれはじめてしまいます。 就職活動としてオープンデスクに参加しているのであれば、 様子見をするのははじめの1週間程に留めて、 この事務所に応募するかどうかを早々に決断して、 できる限り早い段階で建築家やスタッフに入社したいという意思を伝えることが大事だと思います。 建築家に話すのが緊張するのであれば、 今もスタッフを募集してたりするのでしょうか? とスタッフに聞きつつ自分の意思をすこしずつ伝えるのもよいと思います。 やはり就職活動としてオープンデスクに参加する場合でも、 重要なのは、自分がどういう思いでオープンデスクに参加しているのかを伝える、 ことだと思います。 以上、a〜cの場合それぞれについて、 ② 建築家と建築学生との間にある「ズレ」をどのように解消するか、 についてまとめてみましたが、 どの場合でもやることはやはりただこの2つになると思います。 ・自分がオープンデスクにどんな経験や機会を期待しているかを事前に整理する ・建築家に事前に自分が期待していることを伝える とてもシンプルな2つですが、 このシンプルな2つのことをしっかりとしている人がほとんどいません。 オープンデスクに参加したけれど、 ・いい経験をなかなかできている気がしない。 ・建築家やスタッフとの距離が縮まらず、就職に繋がらない という経験がある人は、 まずはこの2つだけ意識して参加してみると、 オープンデスクを通して得られるものが変わってくると思います。 オープンデスクの方が来てくれることで、 事務所には新鮮な空気が流れるし、 建築家は想像している以上に、今の学生はどういうことに興味があるのかな?、ということに興味を持っています。 初めは抵抗感があるかもしれませんが、 建築家やスタッフに遠慮する必要はないです。 是非、アトリエ事務所のオープンデスクに積極的に参加してみてほしいと思います。 次の頁では、 建築事務所に就職したいけれど、 きっかけが掴めない人に向けて、 建築事務所への就活のあり方についてまとめておきたいと思います。
オープンデスク

オープンデスクに行ったがあまりいい経験ができなかった、という方へ。考えられる原因についてお伝えします!①

建築学生にオープンデスクについての話を聞くと、 ・勇気を出して申し込み参加したが、建築家やスタッフともあまり話せなかった。 ・やってもやらなくてもいいような作業を振られ、時間を無駄にしたような気がする そんな声を聞くことがあります。 建築事務所での仕事が自分に合うかどうか知りたい、 まずはアトリエ事務所の雰囲気を知ろう!よし! と、勇気を出してオープンデスクに参加して、 あんまり経験にならないし、求められてる感じもしない、 そんな感想を抱いてしまえば、 そもそもアトリエ建築事務所で働くのは向いていないのかも、 そう思ってしまう人が増えてしまっても無理はありません。 近年はアトリエ事務所への就職を志望する学生が減っている、とはよく聞きますが、 オープンデスクに参加する学生は減っているようには思いません。 人を欲しているアトリエ事務所は増えてきていて、 アトリエ事務所で働くことを検討している学生は減っていないのなら、 アトリエ事務所はオープンデスクに来た建築学生にはしっかりと実務に繋がる経験を提供して、 アトリエ事務所で働くことについてしっかり考えてもらうことで、 アトリエ事務所を志望する学生を増やすことができるし、 よりよい建築をつくることに繋がっていくのではないでしょうか。 また建築学生の方々も、 貴重な学生時代の2週間、1ヶ月間をオープンデスクに費やすのであれば、 アトリエ建築事務所のことをよりよく知り、 技術や経験をできる限り得ることは、 今後どんな選択をしていくにしてもよりよい結果に繋がると大事なことだと思います。 アトリエ建築事務所にとっても、 建築学生にとっても、 オープンデスクは有意義な機会となるはずなのに、 お互いにとって不満足な結果となることがしばしばあるのはどうしてなのでしょうか。 最近疑問に思ったので考えてみました。 僕はその原因が「ズレ」にあるのではないかと思っています。 ここではどんな「ズレ」があるのか、 その「ズレ」を解消していくことでどんなことが得られるか、についてまとめ行きたいと思います。 ①建築家とスタッフとの間にある「ズレ」 僕はアトリエ建築事務所のスタッフとしてオープンデスクの方に指示を出させてもらう機会があるので、 事務所の側からみた視点からも見えてきます。 まずこの「ズレ」は、 オープンデスクを応募する人は建築家 オープンデスクに来た学生に指示を出す人はスタッフ であることから生まれます。 先ほどお話した通り、 オープンデスクはアトリエ建築事務所にとってもメリットのある機会です。 なので建築学生は遠慮せずどんどんと参加すべきだし、 得るべきものを得るべきだと思います。 但し、建築事務所のスタッフは基本的に忙しく作業をしていることが多く、 オープンデスクの方に作業の指示をすることが難しいことが多々あります。 建築家がスタッフに、 オープンデスクの方にいい経験を積ませてあげよう、という意識を共有していなかったり、 建築家がスタッフの仕事の具合を考慮せずにオープンデスクの受け入れを行なっていたりすると、 ・作業の指示を出すのは大変だから、単調で時間のかかる作業をひとまずやってて時間を過ごしてもらおう ・お願いできる模型作り作業がないからお願い出来ることが今はないな、 こういう状況が生まれてしまいます。 オープンデスクに参加した方でこのような経験をした人の中には、 ・私が興味を持たれてないからあまりいい扱いを受けられなかったのかな? ・募集してくれてたから行ったけどやることない、て言われた。お邪魔してしまったかな? そう考えてしまう人もいるようですが、 上記のような理由である場合が多いので、 建築学生の皆さんは全く気にする必要がありません。 この「ズレ」はかなり多く、 建築学生の皆さんがアトリエ就職をやめるきっかけにもなっているので、 本当に残念なことだと思います。 ただ、このような状況下でも貪欲に経験を積みたい、 もぎ取りたいという方には策はあります。笑 それは「遠慮」しないことです。 学生に話を聞くと、 お邪魔をしないように声をかけてもらうのを待っていた、 と言う人が多くいます。 とても優しい方々なのだとは思いますが、 仕事を進める上では、待ちの姿勢の方にはスタッフの側から意識して声かけをしなくてはならなくなり、かえって手間をかけている場合が多いです。 日本人は遠慮がいいことであるように思いがちですが、 アトリエ事務所で勤めていて、遠慮がいいことだと思われる場面はほとんどありません。 オープンデスクに限らないことだと思いますが、 手間をかけないようにと考えて消極的にただ遠慮してかえって手間をかけさせるよりも、 気になること等を遠慮せず質問して積極的に関わって、時間をもらってしまった分、より作業を手伝って相手を楽にしてやろう、 と積極的に関わっていくことで関係が築けていくのだと思います。 そうしてお互いに感謝する関係になったら、 自然とご飯にいく関係ができていくのだと思います。 オープンデスクというものの考え方について、 建築家とスタッフの間に「ズレ」があることが多く、 その「ズレ」があることにより、 スタッフから建築学生に積極的に関わってくることがないのであれば、 建築学生の側から、積極的に関わらない限り、 オープンデスクを通していい経験を得ることはできません。 オープンデスクを通して模型やCGをつくることで、スタッフの業務は楽になっているはずです。 積極的に建築家やスタッフに関わり、対価としての経験をしっかり得る方がよいと思います。 お互いのために、遠慮はしない方がよいです。 ② 建築家と建築学生との間にある「ズレ」 オープンデスクに関して、 僕が建築家の方からよく聞かれる質問はこれです。 「何をしてあげたら建築学生のためになるかな?」 建築家の方々は、僕らが思っている以上に、 オープンデスクに来てくれる建築学生にいい経験を積んでほしいと思っています。 ただ、オープンデスクに応募してくれた建築学生が、 何を期待して何がしたくて応募してくれたのか、 分からないために、 よりよい提案ができていない、こういう場合が多いです。 オープンデスクに参加する方の中に、 「今回のオープンデスクでは〜という経験がしたくて応募しました!」 と伝えてからオープンデスクをはじめた方はどのくらいいるでしょうか。 自分の希望することを伝えずに、 相手が察してそれを差し出してくれることは実社会ではほとんどないと思います。 それは当然のことだと理解しつつも、 ことオープンデスクのこととなると、 そもそも自分が何に期待して参加しているのかとあまり分からない、 けれどなんとかいい経験ができたらと期待して応募をする、 そういう建築学生が多いのではないかと、話していると感じます。 伝えていないものを相手からもらえることはほぼないと思います。 ここで生まれる、 建築家と建築学生との間にある「ズレ」に関しては、 皆さんの準備によって解消することができます。 ・自分がオープンデスクにどんな経験や機会を期待しているかを事前に整理する ・建築家に事前に自分が期待していることを伝える やることはただ、この2つだけです。 これからオープンデスクに参加する方は、 何に期待できるのかが分からないし、 伝え方も分からない、という方が多いと思いますので、 次の頁では、 どんなことに期待する建築学生が多いか、 どのように建築家に伝えるか、 についてまとめていきたいと思います。
オープンデスク

オープンデスクでは何が経験できるの?と思う方へ。僕がオープンデスクで経験してきたことをお伝えします!

以前に、 建築事務所のオープンデスクは、 やらせてもらえる作業も違えば、 積ませてもらえる経験も異なる、 という話をしました。 ただ、 事務所によって違うし色々あるよ! だけだとイメージもしづらいと思うので、 まずは僕がオープンデスクで経験してきたことを列挙したいと思います。 僕は今までに10以上の事務所のオープンデスクに参加してきましたので、 イメージを掴む参考にはなるかと思います。 ●経験してきたこと! □模型作り ・プレゼンのための模型作り ・設計の変更に伴う既存模型の修正 ・模型に貼り付ける素材(テクスチャー)作り ・模型の中に入れる点景(家具など)作り ・模型を保管するための箱作り □CG作り ・プレゼンのためのCG作り ・設計の変更に伴うCGの修正 ・模型に貼り付ける素材(テクスチャー)作り  Photoshopなど使用   □建築家やスタッフとの交流 ・建築家の自邸での飲み会に呼んでいただく ・スタッフの方にランチに誘っていただく ・事務所の中で建築家とスタッフの方々と夕飯を食べる ・オープンハウスの手伝いをした後に建築家とスタッフの方々と打上げをする □お施主さんとの交流 ・施主打合せに同席させてもらう ・上棟式に同席させてもらう ・建物引渡し後のお施主さんとの飲み会に参加させてもらう □現場に行く ・内壁の塗装を手伝う ・現場監理に同行して建設中の建物をみる ・造園家の方が下草を植えるのを手伝う ・三和土(タタキ)を練るのを手伝う □構造家との交流 ・図面作成の補助をさせてもらう ・構造の打合せに同席する □実務作業に触れる ・見積書の内容確認のお手伝い ・省エネ計算について勉強しつつ計算書の作成 ・外部階段や外構など一部プランの提案 ※もっと沢山の経験を積ませていただいてるので、  思い出したら追記していきます。 以上のように、 ほんとにありがたいことに色々な経験をさせていただきました。 ところが、 他のオープンデスクに参加した人の話を聞くと、 模型作り意外は特にしなかった、 という人が多いことに気づきました。 僕が色々な経験を積むことができたのは、 僕がお会いした方々が優しい方々でとても恵まれていたことが1番の理由だと思いますが、 いざスタッフとして働きはじめ、オープンデスクの方に指示を出す機会をもらいはじめると、 オープンデスクに参加したのにあまり多くの機会をもらえないことには原因があるようにも思えてきました。 建築家やスタッフが原因でも、 オープンデスクの方が原因というわけでもなく、 お互い求めていることや与えたいことの共有ができていない、 「ズレ」が生まれてしまっていることが1番の原因であるように思います。 次の頁から、 どうしてその「ズレ」が生まれてしまうのか、 どうしたらその「ズレ」を解消し、 オープンデスクでよりよい経験を積むことができるのか、 僕なりの考えをまとめておこうと思います。
CGをはじめる方向けの予備知識

sketch up はオワコン?と思う方へ。CG初心者と実務に使用するCG作成におすすめのモデリングソフトを紹介します

モデリングをしてみたい! けれどどんなソフトを使用したらいいか分からない。 そんな方のために、モデリングに使用するソフトについてお話しします。 オープンデスクに来ている学生に話を聞くと、 今はrhinocerosを使用する学生が増え、sketch upを使用する学生は減ってきているように感じます。 近年では、建築の案を考える際に、 平面図を書いてから外観の形を考えて行くのではなく、 まず形を考えてCGで作成してから、平面図を作成する学生が増えてきています。 CG技術の向上と普及、ザハハディドのように平面からではなく、いきなり立体から建築をつくる建築家が台頭した影響もあるのではないかと思います。 また、rhinocerosは形をつくる自由度が高く、 Grasshopperというrhinocerosのプラグインを使用することであらゆる形のスタディが複数同時に作れたりするので、 rhinocerosはつくれる形が自由で効率的! 形をつくる自由度が比較的低いsketch upはオワコンだ! そんな風に考える人も多いかもしれません。 但し、僕は決してそうは思いません。 CG作成経験のある学生の設計課題に使えるソフトはどれですか? と聞かれたら、 rhinocerosです。 と答えます。 このソフトであれば、 ある程度は図面も書けるし、形の自由度が高く、設計課題としては、新鮮な案、がつくりやすくなるからです。 実務に使えるCGはどれですか? CGをこれからはじめたい人におすすめのソフトは? と聞かれたら、 断然、sketch upです。 と答えます。 これからその理由を説明いたします。 理由①実務ではCGで形から建築をつくることはほぼない 学生の設計課題で求められるものは、 学生ならではの発想の自由度の高いものや新鮮さですが、 実務の設計でまず求められるものは、 お施主さんの要求を確実に満たすことであり、 その後で、事務所の特色にあったデザインがはじまります。 お施主さんの要求には様々なものがありますが、 住宅の設計にせよ、公共建築の設計にせよ、 求められるものは、 どんな部屋が必要か、 その部屋の大きさは〜以上必要だ、 と面積に関わるものが大きいです。 ふんだんに予算があるプロジェクトであれば可能かもしれませんが、 適切な予算の範囲内で進めるプロジェクトにおいては、 形を先につくり、平面を後から考えていく設計では予算の調整がとても難しくなります。 そのため実務では、平面図を書き、その図面を元にお施主さんの要望を満たしているかチェックを行い、その後にCGをつくっていく進め方が大多数を占めます。 そのためCGをつくる段階では、作図ソフトで作成した図面が手元にある状態であることがほとんどなので、 CGソフトに作図能力が備わっていることは、あまり利点にはなりません。 理由② 実際の建物は複雑な形状でつくられることはあまりない 街を見渡してみてください。 四角や丸以外の自由な曲線でつくられている建物がどれほどあるでしょうか。 どれだけ複雑につくられているように見える建物も、 要素を分解してみると、 四角や丸などシンプルな幾何学で組み合わさってつくられていることが見えてくると思います。 四角や丸など、シンプルな形状でつくられる建物が多いのは、 創意工夫や新鮮さに対する追求が足りなかったからではないと思います。 シンプルな形状が経済的に合理的だから、これが理由の大きな1つだと思います。 自由な立面を謳う近代建築の時代にも、 矩形で構成される建物が多かったのは、 建物は、経済的な制約からはなかなか離れられないからだと思います。 だからこそ、自由な形状に惹かれるし、 挑戦したいという思いは出てくるけれども、 現実に実務の場で行う設計において、 自由な形状をつくることはあまりない、 その事実は知っておくとよいと思います。 そういった理由から、 rhinocerosの、 自由度の高い形状がつくれるという特徴は、 実務の範囲内においてはあまりつよい利点にはならない、とも言えます。 理由③ sketch upは習得が早い スケッチアップをおすすめする最大の理由は、 かなり早くに習得ができるからです。 僕は母校の生徒を対象に、CGのやり方を伝える勉強会を定期的に行っていますが、 みなさん大体2日程度やり方を伝えるだけで、 モデリングができるようになります。 rhinocerosのように、 コマンドが多いソフトではそうはいきません。 CGを習得する上で最も大きな障壁になるのは、 細かい操作の部分でつまづいてしまい、イヤになり、挫折することです。 rhinocerosの自由度の高さは、操作するコマンドが多いことで生まれます。 そのコマンドの多さが、多くの人にとっては、挫折の原因にもなっています。 そのため、まずはsketch upの技術を習得することをおすすめしています。 僕自身は学生の頃にsketch upの技術を習得し、 アトリエ設計事務所に就職後、働きながらrhinocerosの操作を学びましたが、 sketch upでモデリングの特徴は掴んでいたおかげで、 rhinocerosの技術習得はさほど大変ではありませんでした。 習得に時間はかからないので、 どうしてもrhinocerosに憧れている学生も、 sketch upでモデリングの感覚を先に掴むようにすると、 挫折なくCGがつくれるようになるのではないかと思います。 そして実務でCGをつくるようになってから、 sketch upでつくれない建物はほとんどないな、 ということにも気づいていくと思います。 そのためまずは、 sketch upでモデリングをやる方法、を次の頁から記していこうと思います。 実務に即すよう、 無駄なく効率的に、設計変更に耐え得るような方法を、 独学で学びつつブラッシュアップしていった方法なので、 設計課題にも実務にも活きる技術を、短期間で習得できるようになると思います。 モデリングは、 図面データをsketch upに取り込むことからはじめていきます。 sketch upの有料版を使用することで、 図面をモデリングソフト上でかく手間が省けますので、 まずはsketch up Proを購入することをおすすめしています。 作図にかかる時間をなくし、精度の高いCGをつくることができるようになります。 ※レンダリングソフトの購入は、 モデリングの技術を習得してからでも遅くないと思います。 僕自身は独学で学びつつ、プレゼン用CGの作成を繰り返す度にブラッシュアップしたので、 とても時間がかかりましたし、体力もかなり使いました。 この情報を共有することで、皆さんが楽に楽しくCGの技術が習得できるようになることを願います。
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