CGをやってみたい人の多くは、自分の設計をよりリアルなビジュアルで表現してみたい、
そう思い、はじめる方が多いかと思います。
以前にご説明した通り、リアルなCGをつくるプロセスをざっくりと記すと下記のようになります。
①モデリングをする
↓
②モデリングしたデータをレンダリングする
↓
③レンダリングしたデータを画像処理ソフトで加工する
↓
④完成したCGをプレゼン用の資料にレイアウトする
今回はこの②に使用するレンダリングソフトでは何がおすすめかをお伝えしていきます。
結論としましては、
・CG初心者で費用を抑えたい人はPodium
・CG経験者でお金に余裕ある人はV-Ray
になると思います。
以下に理由を記していきます。
●Podiumをおすすめする理由
①操作がシンプルで習得が早い
モデリングソフトとしてまずはsketch upに取り組むことをおすすめしたように、
Podiumをおすすめする最大の理由は、
かなり早くに習得ができるからです。
V-Rayは調整する項目が多く、だからこそ細かな調整が可能になるのですが、
習得に挫折する可能性は上がります。
CGを習得する上で最も大きな障壁になるのは、
細かい操作の部分でつまづいてしまい、イヤになり、挫折することです。
ですから初心者には断然、Podiumをおすすめします。
PodiumとV-Rayの仕上がりに大きな差がつくのは外観のCGを作成した時なので、
まずはPodiumでレンダリングに慣れてから、
数年して外観の仕上がりを極めたいと思った際にV-Rayを導入するのがよいと思います。
②レンダリングソフトの中では断然安い
理由2つ目は、レンダリングソフトの中では断然安いことです。
カキーシャなどそもそも無料で永久に使えるレンダリングソフトも中にはありますが、
完成度があまりに低く実務の使用には耐えません。
実務のプレゼンに使用できるレベルの完成度のレンダリングが可能で、それでいて安いのがPodiumのかなりの魅力です。
V-Rayが年間に10万円ほどかかるのに対し、
Podiumは一度買えば永久に使えて4万円程です。
圧倒的な安さだと思います。
また、Twinmotionなど、商用には使用できないけれど学習用であれば無料にできてかつ完成度の高いレンダリングソフトの方がよいのでは?
というお声もしばしばいただくので、
それについての見解も詳しく述べておこうと思います。
無料で高い完成度!※但し商用利用は不可
のTwinmotion!には誰もが魅力を感じるものと思います。
但しここで注意すべきなのは、
なぜ企業が無料で提供するのか、についてです。
お金を稼ぐためにレンダリングソフトを販売する会社がなぜ無料で学習用に提供するかというと、
まずは無料でマーケットを広げて多くの人に技術を身につけさせて、
広まった後に課金を開始し、徐々に値段を上げていくためです。
一度無料期間にTwinmotionの技術を身につけた人は、
課金を開始された後にもせっかく身につけた技術だからとTwinmotionを手放せず、値段を上げられても支払う以外になくなっていきます。
adobeのPhotoshopなどに無料配布の期間があったことを思い返せばご納得いただけると思います。
さらに高額な支払いに追い討ちをかけるのは、
・サブスクの時代がやってくる
・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない仕様に今後なっていく
の2つがあります。
・サブスクの時代がやってくる
いまソフト販売関連の会社で軒並み株価を上げているのは、ソフトを買い切り(一度買ったら永久に使用できる)で販売する会社ではなく、
サブスク(使用し続ける期間中、毎月や毎年お金がかかる)の形式でソフトを販売している会社です。
adobeなどのソフト販売会社に限らず、皆さんご存知のNetflixもAmazonも、急成長している会社はどこもサブスクの形式でサービスを提供しています。
サブスクの形式がビジネスモデルとして有用であることが証明されている現在、
買い切りの形式でソフトを販売する会社はなくなり、サブスクの形式でサービスが提供されるようになる日は近いと思います。
買い切りとサブスクにかかかる費用は長期的に見ると桁が違います。
比べてみると
1年間の間では、
V-Rayは10万円(10万円/年間 サブスク)
Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り)
6万円ほどV-Rayの方が高い
10年間の間では、
V-Rayは100万円(10万円/年間 サブスク)
Podiumは4万円(4万円/永久 買い切り)
96万円ほどV-Rayの方が高い
20年間の間では、、、、
値段にどんどんと差が開いていきます。
さらにサブスクの時代は加速していきますから、
今のうちに質が高く値段を抑えたレンダリングソフトを入手しておくか否かで、
10年間で100万円弱の費用の差が出ていきます。
・ネットに繋げた状態でしかソフトが使用できない
さらに、今後は商用ソフトでないものを商用に利用することが不可能な時代になっていきます。
元々が、商用でないものを商用に利用するのは違法でしたが、
オフラインで使用できるソフトが多いため、非商用ソフトを商用には利用する人も多くいました。
ただし、これからはネットに繋げた状態でしかソフトを利用できない形式が増えていくため(adobeの photoshopやIllustrator等が既にその傾向にあります)非商用のものを商用に利用するとすぐに発覚するようになります。
そのため結論として、
「商用」の「買い切り」のレンダリングソフトをいかに早く買っておくか。
これで長期的にかかる費用が断然と変わってきます。
僕らは買い切りの商用ソフトが買える最後の世代になるかもしれません。
podiumが商用で買い切りで4万円が高いと感じていた方も、
長期的な視点で考えるといかに安いソフトなのかがお分かりいただけるのではないかと思います。
以上がpodiumをおすすめする理由です。
これからCGをはじめる方や、
生涯、CGにかけるコストを削減したい方はpodiumを早めに購入することをおすすめいたします。
また、経営的に余裕のある方の中には、
外観のCGを極めるためにV-Rayを極めたいという方もいるかもしれません。
そんな方のために、V-Rayの利点も別の頁で説明していこうと思います。
・次の頁
「より完成度の高いCGがつくりたい!けれど何をどうすれば完成度が上がるのか分からない、という方へ。どの要素が完成度に影響を与えるのかお伝えします。」
・前の頁
「sketch up はオワコン?と思う方へ。CG初心者と実務に使用するCG作成におすすめのモデリングソフトを紹介します」
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