オープンデスクに行ったがあまりいい経験ができなかった、という方へ。考えられる原因についてお伝えします!①

建築学生にオープンデスクについての話を聞くと、
・勇気を出して申し込み参加したが、建築家やスタッフともあまり話せなかった。
・やってもやらなくてもいいような作業を振られ、時間を無駄にしたような気がする
そんな声を聞くことがあります。

建築事務所での仕事が自分に合うかどうか知りたい、
まずはアトリエ事務所の雰囲気を知ろう!よし!
と、勇気を出してオープンデスクに参加して、
あんまり経験にならないし、求められてる感じもしない、
そんな感想を抱いてしまえば、
そもそもアトリエ建築事務所で働くのは向いていないのかも、
そう思ってしまう人が増えてしまっても無理はありません。

近年はアトリエ事務所への就職を志望する学生が減っている、とはよく聞きますが、
オープンデスクに参加する学生は減っているようには思いません。

人を欲しているアトリエ事務所は増えてきていて、
アトリエ事務所で働くことを検討している学生は減っていないのなら、
アトリエ事務所はオープンデスクに来た建築学生にはしっかりと実務に繋がる経験を提供して
アトリエ事務所で働くことについてしっかり考えてもらうことで、
アトリエ事務所を志望する学生を増やすことができるし、
よりよい建築をつくることに繋がっていくのではないでしょうか。

また建築学生の方々も、
貴重な学生時代の2週間、1ヶ月間をオープンデスクに費やすのであれば、
アトリエ建築事務所のことをよりよく知り
技術や経験をできる限り得ることは、
今後どんな選択をしていくにしてもよりよい結果に繋がると大事なことだと思います。

アトリエ建築事務所にとっても、
建築学生にとっても、
オープンデスクは有意義な機会となるはずなのに、
お互いにとって不満足な結果となることがしばしばあるのはどうしてなのでしょうか
最近疑問に思ったので考えてみました。

僕はその原因が「ズレ」にあるのではないかと思っています。
ここではどんな「ズレ」があるのか、
その「ズレ」を解消していくことでどんなことが得られるか、についてまとめ行きたいと思います。

建築家スタッフとの間にある「ズレ
僕はアトリエ建築事務所のスタッフとしてオープンデスクの方に指示を出させてもらう機会があるので、
事務所の側からみた視点からも見えてきます。

まずこの「ズレ」は、
オープンデスクを応募する人建築家
オープンデスクに来た学生に指示を出す人スタッフ
であることから生まれます。

先ほどお話した通り、
オープンデスクはアトリエ建築事務所にとってもメリットのある機会です。
なので建築学生遠慮せずどんどんと参加すべきだし、
得るべきものを得るべきだと思います。

但し、建築事務所のスタッフは基本的に忙しく作業をしていることが多く、
オープンデスクの方に作業の指示をすることが難しいことが多々あります
建築家がスタッフに、
オープンデスクの方にいい経験を積ませてあげよう、という意識を共有していなかったり、
建築家がスタッフの仕事の具合を考慮せずにオープンデスクの受け入れを行なっていたりすると、
・作業の指示を出すのは大変だから、単調で時間のかかる作業をひとまずやってて時間を過ごしてもらおう
・お願いできる模型作り作業がないからお願い出来ることが今はないな、
こういう状況が生まれてしまいます。

オープンデスクに参加した方でこのような経験をした人の中には、
・私が興味を持たれてないからあまりいい扱いを受けられなかったのかな?
・募集してくれてたから行ったけどやることない、て言われた。お邪魔してしまったかな?
そう考えてしまう人もいるようですが、
上記のような理由である場合が多いので、
建築学生の皆さんは全く気にする必要がありません。

この「ズレ」はかなり多く、
建築学生の皆さんがアトリエ就職をやめるきっかけにもなっているので、
本当に残念なことだと思います。

ただ、このような状況下でも貪欲に経験を積みたい、
もぎ取りたいという方には策はあります。笑

それは「遠慮」しないことです。
学生に話を聞くと、
お邪魔をしないように声をかけてもらうのを待っていた、
と言う人が多くいます。
とても優しい方々なのだとは思いますが、
仕事を進める上では、待ちの姿勢の方にはスタッフの側から意識して声かけをしなくてはならなくなり、かえって手間をかけている場合が多いです。

日本人は遠慮がいいことであるように思いがちですが、
アトリエ事務所で勤めていて、遠慮がいいことだと思われる場面はほとんどありません。

オープンデスクに限らないことだと思いますが、
手間をかけないようにと考えて消極的にただ遠慮してかえって手間をかけさせるよりも、
気になること等を遠慮せず質問して積極的に関わって、時間をもらってしまった分、より作業を手伝って相手を楽にしてやろう、
と積極的に関わっていくことで関係が築けていくのだと思います。
そうしてお互いに感謝する関係になったら、
自然とご飯にいく関係ができていくのだと思います。

オープンデスクというものの考え方について、
建築家とスタッフの間に「ズレ」があることが多く、
その「ズレ」があることにより、
スタッフから建築学生に積極的に関わってくることがないのであれば、
建築学生の側から、積極的に関わらない限り、
オープンデスクを通していい経験を得ることはできません。

オープンデスクを通して模型やCGをつくることで、スタッフの業務は楽になっているはずです。
積極的に建築家やスタッフに関わり、対価としての経験をしっかり得る方がよいと思います。
お互いのために、遠慮はしない方がよいです。

② 建築家と建築学生との間にある「ズレ」

オープンデスクに関して、
僕が建築家の方からよく聞かれる質問はこれです。
「何をしてあげたら建築学生のためになるかな?」

建築家の方々は、僕らが思っている以上に、
オープンデスクに来てくれる建築学生にいい経験を積んでほしいと思っています。
ただ、オープンデスクに応募してくれた建築学生が、
何を期待して何がしたくて応募してくれたのか、
分からないために、
よりよい提案ができていない、こういう場合が多いです。

オープンデスクに参加する方の中に、
「今回のオープンデスクでは〜という経験がしたくて応募しました!」
と伝えてからオープンデスクをはじめた方はどのくらいいるでしょうか。

自分の希望することを伝えずに、
相手が察してそれを差し出してくれることは実社会ではほとんどないと思います。
それは当然のことだと理解しつつも、
ことオープンデスクのこととなると、
そもそも自分が何に期待して参加しているのかとあまり分からない、
けれどなんとかいい経験ができたらと期待して応募をする、
そういう建築学生が多いのではないかと、話していると感じます。
伝えていないものを相手からもらえることはほぼないと思います。

ここで生まれる、
建築家と建築学生との間にある「ズレ」に関しては、
皆さんの準備によって解消することができます。
・自分がオープンデスクにどんな経験や機会を期待しているかを事前に整理する
・建築家に事前に自分が期待していることを伝える
やることはただ、この2つだけです。

これからオープンデスクに参加する方は、
何に期待できるのかが分からないし、
伝え方も分からない、という方が多いと思いますので、
次の頁では、
どんなことに期待する建築学生が多いか、
どのように建築家に伝えるか、
についてまとめていきたいと思います。

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「オープンデスクに行ったがあまりいい経験ができなかった、という方へ。考えられる原因についてお伝えします!②」

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「オープンデスクでは何が経験できるの?と思う方へ。僕がオープンデスクで経験してきたことをお伝えします!」

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